睡眠時無呼吸症候群

赤羽もり内科・腎臓内科では、「睡眠時無呼吸症候群」の診療を行っております。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)とは、睡眠中に呼吸の停止を繰り返す病気です。

具体的には、呼吸が10秒以上止まっている状態が1晩に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上ある状態を指します。

症状

症状としては、以下のようなものがあります。

  • しっかり睡眠時間を確保しているのに眠い状態が続く。
  • 居眠り運転をしてしまう。
  • 寝ている時の強いいびきや無呼吸状態になる。
  • 寝ているのに何度も起きてトイレに行ってしまう。

また自覚する症状がなく、家族から寝ている時に呼吸が止まっていることを指摘されて受診される患者さんも多いです。

日本の睡眠時無呼吸症候群の患者さんで実際日中の眠気を感じている人は半分程度で、残りの半分は日中の眠気を感じていません。

基本的な症状は、「いびき」であり家族の指摘が診断に重要になります。

原因

代表的な原因は、肥満、顎の骨格、扁桃腫大などが原因で気道が狭くなる病態です。

加えて、心不全、呼吸状態の悪化、中途覚醒などが原因となることもあります。

概念的に、閉塞性(気道が閉じている)と中枢性(脳からの呼吸の指令が来ない)に分けて考えることもありますが、病態として明確に分けることが難しく複合的に起きていると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群→肥満というイメージがありますが、日本の患者さんで肥満の人は4割程度しかいないというデーターもあります。

放置すると

日中に眠くなるなどの症状で、交通事故が1.2-4.9倍に増えるというデーターがあります。

それだけでなく、放置することで高血圧、心筋梗塞、腎臓病などに繋がる可能性が指摘されています。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの30-70%に高血圧が合併して、高血圧の患者さんの30-50%に睡眠時無呼吸症候群が合併するというデーターもあります。

とくに血圧を下げる薬をいくつ飲んでも良くならないような場合は、この睡眠時無呼吸症候群を含めた二次性高血圧を考える必要があります。

検査

検査は二つの方法があり、自宅で出来る手の指や鼻の下にセンサーをつけて行う「OCST:検査施設外睡眠検査」と医療機関を中心に行う「PSG:睡眠ポリグラフ検査」の二つがあります。

これらの検査を当院で行うことは可能です。

当院よりセンサーを手配しますので、ご自宅でセンサーを使用して検査をします。

手軽で簡便ですが、正確性の観点から検査結果で解釈に迷うときは、PSGをおこなうことをお勧めします。

 またOCSTで重症度が低くても、日中の眠気が強いなどの症状があるときや、心疾患、脳血管疾患の既往がある場合はPSGを受けることをお勧めします。

治療

基本はCPAP療法です。

CPAP療法

CPAP療法という専用の呼吸器具を使った治療を行うこともあります。

CPAP療法を行うことで、交通事故の可能性を減らすことがわかっており、更に心臓病などの予防に繋がる可能性が期待されています。

ただし、CPAP療法は継続することが難しく、しっかり継続している患者さんは約4割と非常に低いです。

生活習慣の改善

減量、禁煙、寝る前の飲酒を控えて頂きます。

また、アレルギー症状や鼻閉などの症状があるときは、アレルギー薬を使用することもあります。

その他に、口腔内装具・顎の矯正手術・口蓋垂軟口蓋咽頭形成術・肥満手術を行うこともあります。

よくある質問

Q CPAP療法は一生続けるんですか?

肥満の影響を強く受けている場合は、減量をしてみて再度検査を行い異常が無ければ終了とすることもあります。 一方で若い方で肥満がないにもかかわらず、起きた睡眠時無呼吸症候群の場合は継続治療することが多いです。

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