腎性貧血

 

腎性貧血とは

腎性貧血とは、腎機能が低下し、腎臓から分泌される造血のホルモンである「エリスロポエチン」が不足して起きる貧血です。

腎性貧血が起きると、体に酸素の運搬能が低下するため、心臓に負荷がかかるなど様々な臓器に悪影響を与えるため必ず治療が必要になります。

心腎貧血症候群とは

貧血が起きることにより心臓への負荷、腎臓への負荷が起きて、さらに貧血が起きるという悪循環のことを「心腎貧血症候群」と呼びます。

今まで、一度この悪循環が起きると手だてがなく、輸血をするしかなかったのですが、ここ20年ほど腎性貧血の治療薬ができて、積極的な治療を行うようになりました。

腎性貧血の治療

腎臓病の患者さんでは貧血を治療することにより、以下のような効果が期待できます。

  • 腎機能の進行抑制
  • 生命予後の改善
  • 心不全のリスクの低下

そのためヘモグロビン値11-13g/dlを目指して治療を行います。治療法は主に以下の3つにわけることができます。

・ESA製剤

腎臓が分泌される「エリスロポエチン」が不足するため、直接補充する治療です。

ESA製剤には以下のようなものがあります。

  • ネスプ
  • ミルセラ
  • ダルべポエチン など

・HIF-PH阻害薬

近年、「エリスロポエチン」を直接補充するのではなく、体内の「エリスロポエチン」を有効活用する「HIF-PH阻害薬」も腎性貧血の治療として使用されており、現在使われている薬は以下のような内容です。

  • ダーブロック
  • バフセオ など

これらの薬を使用して、ヘモグロビン値11-13g/dlを目標にします。

 

・腎性貧血以外の原因

腎機能が低下した患者さんの貧血では、腎性貧血だけでなく以下のような原因で貧血が起きることがあります。

  • 鉄分の不足
  • 亜鉛・ビタミンB12・葉酸の不足
  • 出血 など

腎臓病になると様々な栄養素が不足しやすいので適宜採血検査を行い、原因を明らかにする必要があります。

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