片頭痛

赤羽もり内科・腎臓内科では「片頭痛」の診療を行っております。 (現在、当院では片頭痛の診療はかかりつけの患者様のみとさせて頂いております。)

片頭痛とは

片頭痛は日本に10人に1人(男性で20人に1人、女性で5人に1人)が発症する病気で頭痛の中でも最も頻度の高い原因の一つです。

若年〜中年女性の頭痛の原因として、片頭痛、筋緊張性頭痛がほぼ8割が占めると言われています。

症状

片頭痛の主な症状は頭痛ですが、他に以下のような特徴があります。

  • 片方に起きやすい。
  • 頭痛の前に前兆があることが多い。
  • 心臓の脈に連なって痛みがでる。
  • 動くと痛みがふえる。
  • チョコレートやチーズを食べると痛む
  • 気持ち悪い
  • 眼が眩しい感じがある
  • 音に敏感になる など

診断

上記の症状に当てはまれば診断となります。詳しくは以下の診断基準をご参照ください。

国際頭痛分類第3版の片頭痛診断基準

治療

治療には主に「痛みが生じた時の治療(発作治療)」と「痛みを予防する治療(発作予防)」の2つに分けることが出来ます。

発作治療

頭痛発作が出現した時は、重症度によって治療を選択します。

● 症状が軽いとき

アセトアミノフェン、NSAIDsなどを鎮痛剤を使用します。

  • カロナール
  • ロキソニン など

● 症状が重いとき

頭痛の発作が重いときであればトリプタン製剤を検討します。 頭痛が始まってから1時間以内に内服すると良いです。

トリプタン製剤として以下のようなものがあります。様々な種類があり、色々試しながら合う薬を決めていきます。

  • マクサルト
  • レルパックス
  • アマージ 
  • イミグラン など

● 嘔気があるとき

吐き気止めを使います。

  • ナウゼリン
  • プリンペラン など

ナウゼリンは悪心を軽減するだけでなく、トリプタンの効果高めたり、頭痛になりそうな予兆があるときに使用すると頭痛を軽くしたりする効果も期待できます。

 

トリプタン製剤について

◆ マクサルト

マクサルトの特徴として、「効果が速い」、「効き目がシャープ」という特徴があり当院では一番最初に使うトリプタン製剤です。

効果が足りないときは2時間後に2錠目を追加で内服することが可能です。

一方で、持続時間が短く何度再発するような患者さんには不向きとも言われています。

また一時的ではありますが、副作用としてめまい、眠気、倦怠感を訴える患者様も一定数いらっしゃいます。

 アマージ

月経に関連する片頭痛の場合は、何度も繰り返すことがありマクサルトより長く作用するアマージを使用します。

月経開始2日前から月経3日目までの5日間に最も起こりやすいとされています。 効果が足りないときは4時間後に追加投与可能です。

 イミグラン

経口だけでなく、点鼻、皮下注射で使用出来るのが特徴です。

 その他

レルパックス、ゾーミックなどのトリプタン製剤もあるので適宜使い分けをします。

 トリプタンを使用していけないとき

トリプタン製剤の禁忌として以下のものがあります。

  • 心臓の病気になったことがある。
  • 手や足の血流が低下している。
  • 症状がコントロールされていない高血圧がある 。
  • 重度肝臓の障害がある。
  • 腎臓の障害がある。

このような場合は、近隣の頭痛外来をご紹介しますので遠慮なくおっしゃってください。

発作予防

● 生活習慣

以下のような要素は片頭痛との関与があるので取り除きます。

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • カフェイン摂取 など

● 薬の治療

1ヶ月以内に2-3回以上の発作がある場合、以下のような予防薬を使用します。ただし効果は個人差があります。

  • 抗てんかん薬
  • 三環系抗うつ薬
  • SNRI
  • β遮断薬
  • Caチャネル阻害薬
  • ACE阻害薬、ARB
  • 漢方 など

当院ではミグシスと呼ばれる血圧の治療で使う薬や呉茱萸湯と呼ばれる漢方を使っています。

予防薬は1ヶ月以内に効果が発現することがほとんどであり2ヶ月経過しても効果がない場合は変更を考慮します。

専門施設に紹介する場合

以下の場合は専門施設に紹介します。

  • 麻痺がある場合
  • ふらつき、めまいなどの前兆を伴う場合

また、漫然と片頭痛を続けるのではなく、年に1度など頭痛の専門クリニックにご紹介して現在の状態のチェックアップを専門家に行ってもらっています。

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