血圧を下げる降圧薬について

こんにちは、院長の森 維久郎です。

総論のところでもお伝えしましたが、日本人で脳・心臓で亡くなってしまう方の背景にある因子の1番が「高血圧」です。

血圧が高い場合は、何らかの方法で血圧を下げて、最終的に血圧130/80mmHg以下を目安にしていく必要があります。(人によって目標にする血圧は異なります。)

血圧の薬について問い合わせが多いのでまとめます。

高血圧で薬を開始するタイミング

薬を開始するタイミングは、「リスク」と「現在の血圧の状態」で検討します。

リスクは年齢、性別、背景にある病気によって分けられる「リスク層」と現在の「血圧の状態」によって「低リスク」、「中等リスク」、「高リスク」に分けられます。


(高血圧治療ガイドライン2019)

リスクを踏まえた上で、血圧の状態をみてただちに薬を始めるか、生活習慣の改善で様子をみるかを決めていきます。

(高血圧治療ガイドライン2019)

生活習慣の改善としては、減塩・減量・節酒・運動などがあります。

1-3か月ほど様子をみて、薬が必要かを検討します。

血圧の薬を飲むときの注意点

血圧の治療の最大の合併症は「低血圧」です。

そのため、血圧の薬を飲んでいる方は必ず家庭で血圧をはかってください。

その上で以下のような場合は薬の調整が必要なので必ず主治医に相談してください。

  • 上の血圧値が100mmHgを切る場合が続く
  • ふらつきが起きる
  • その他、不調を感じる など

当院では、高血圧だけで通院されている方でリスク因子もなく安定している方には3か月処方をしています。しかし、家庭血圧を測り手帳やアプリで記録していることを条件としております。

合併症を引き起こさないため、ご協力をお願いします。

血圧の薬の種類

血圧にはさまざまな種類のお薬があります。

薬は、単に血圧を下げるのではなく、臓器の保護効果を期待したり、ミネラルの異常など合併症のリスクを減らすなどを考慮して選んでいきます。

高血圧の治療ガイドラインでも目安として以下のようにまとめています。

(高血圧治療ガイドライン2019)

ACE-Ⅰ/ARB(RAS系阻害薬)

主に心臓・脳・腎臓を保護する効果が期待できるお薬です。

一方でミネラルの1種であるカリウムという値を上げてしまうことがあります。

滅多にありませんが、カリウムが上がりすぎてしまうと突然死の原因となる不整脈を引き起こす可能性があるので、適宜採血をして異常がないかの確認が必要です。

妊娠時は使用できません。

薬の名前として以下のようなものが該当します。

● ACE-I

  • カプトリル(カプトプリル)
  • レニベース(エナラプリル)
  • タナトリル(イミダプリル)
  • エースコール(テモカプリル)
  • コバシル(ペリンドプリルエルブミン) など

*ACE-Iでは咳が2-3割の可能性が起きます。

● ARB

  • ニューロタン(ロサルタン)
  • ブロプレス(カンデサルタン)
  • ディオバン(バルサルタン)
  • ミカルディス(テルミサルタン)
  • オルメテック(オルメサルタン)
  • アバプロ(イルベサルタン)
  • アジルバ(アジルサルタン) など

Ca拮抗薬

シンプルに血圧を下げたい場合に多用するお薬です。

Ca拮抗薬の中にも様々特徴があり、脈拍を抑えたりする効果のあるCa拮抗薬もあります。

注意点としては、グレープフルーツを食べると効果が増強する可能性があります。

薬の名前として以下のようなものが該当します。

  • アダラート(ニフェジピン)
  • ノルバスク(アムロジン)
  • アテレック(シルニジピン)
  • コニール(ベニジピン)
  • カルブロック(アゼルニジピン)
  • ヘルベッサー(ジルチアゼム)  など

β遮断薬

主に心臓を保護する効果のあるお薬で、循環器内科でよく使用されます。

喘息がある場合は使用できず、肺疾患があるときも注意が必要で時にはメリット・デメリットを天秤にかけて使用する薬です。

薬の名前として以下のようなものが該当します。

  • メインテート(ビソプロロール)
  • アーチスト(カルベジロール)
  • テノーミン(アテノロール)  など

α遮断薬

どちらかというと他の血圧の薬の補助的に使用する薬です。

前立腺肥大にも多少なりとも効果があるのも特徴です。

ただし動脈硬化が強い場合は、足の血流を低下させる可能性があるので避けることもあります。

  • カルデナリン(ドキサゾシン)
  • エブランチル(ドキサゾシン) など

MR拮抗薬

近年注目されている薬で腎臓・心臓の保護効果が期待できます。

ACE/ARBと同様にカリウムという値を上げてしまう難点があるので腎機能が低下している患者さんなどは注意が必要です。

  • アルダクトン
  • セララ(エプレレノン)
  • ミネブロ(エサキセレノン) など

直接的レニン阻害薬

採血でレニンと呼ばれる血圧をあげるホルモンが多いと判断した時に使用します。

  • ラジレス(アリスキレン)

 

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