赤羽もり内科・腎臓内科では、当院に生活習慣病で通院されているかかりつけの患者様に限定してCOPDの診療を行っております。
COPDとは
COPDとはタバコ、大気汚染などが原因で肺の構造が破壊されて起きる病気です。
ガイドラインでは「タバコを主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患」と記されており、肺の通り道や肺の酸素のやり取りをする箇所が破壊され、ボロボロになった状態を指します。
原因
主な原因はタバコで1日20本以上吸っているような方でリスクが上がります。
症状
症状としては、以下のようなものがあります。
- 動いた時の息切れ
- ずっと続く咳、痰 など
これらの症状はタバコを辞めない限り徐々に進行していき最終的には酸素を吸わないと日常生活が送れない程になる方もいらっしゃいます。
検査
スクリーニングとしては呼吸機能検査(スパイロメトリー)、胸部レントゲンを行います。
治療
治療としては、重症度に合わせて吸入薬を使用して、その他感染予防のワクチン摂取、抗菌薬による感染予防、酸素療法を行います。
吸入薬
吸入薬としては以下のようなものがあります。
- SABA(短時間作用性β2刺激薬)
- LABA(長時間作用性β2刺激薬)
- SAMA(短時間作用型抗コリン薬)
- LAMA(長時間作用型抗コリン薬)
- ICS(吸入ステロイド)
使い分けは時と場合によりますが、近年LAMAと呼ばれる吸入薬が注目を集めており、個人的にも緑内障、前立腺肥大症がない限りはLAMAを治療のベースとして考えています。
ただし、喘息の要素をもつようなCOPDの場合はICSと呼ばれるステロイドの吸入薬も検討します。
当院では、ある程度の重症な患者様には、一度近隣の呼吸器科の専門施設にご紹介させて頂き、安定したら当院で処方する形を取らせていただきます。
禁煙
COPDの治療薬は狭くなった気管支を広げたりする効果はありますが、根本的な治療ではないので、タバコを辞めるしかありません。
実際、治療で禁煙が最も重要で、40代まで禁煙をすれば最終的に非喫煙者程度まで呼吸機能が改善する可能性が指摘されておりますし、65歳でも予後を改善させるという報告もあります。
当院では禁煙外来を行なっておりますのでご興味がある方はおっしゃってください。
ワクチン
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンは全例で推奨されます。
その他
呼吸苦を頻回に起こしている場合などは予防的に抗菌薬を使用します。またムコダインなどの去痰薬を投与することもあります。
呼吸機能を改善させるために呼吸リハビリテーションを行なったり、酸素療法を行うこともあります。
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