アルツハイマー型認知症は、認知機能障害や行動・心理症状を呈する病気です。
認知症の約半数がこのアルツハイマー型認知症で認知症が起きます。
症状
1:認知機能障害
- 記憶障害:数分から数十分前のことを忘れる etc
- 見当識障害:今日の日付、場所、話している人が分からない etc
- 失語:語彙が乏しくなり、「あれ」、「これ」という指示語が増える etc
- 失行:三次元の描写が困難、動作の真似ができなくなる etc
- 失認:外出先から帰れなくなる etc
- 遂行機能障害:計画を立てたりできなくなる etc
その他、「置き忘れ」、「取り繕い」、「振り返り」などの症状があります。
2:認知症の行動・心理症状(BPSD)
認知機能障害により以下のような心理的な変化が起きます。
- 不安
- 焦燥
- 不眠
- うつ状態
- 興奮
- 妄想
- 意欲低下
- 自発性低下 etc
結果、「物取られ妄想」、「徘徊」、「鏡現象(かがみの自分を他人と認識して話をする)」、「易刺激性」、「攻撃的行動」などが起きます。
検査
頭部CT
- 海馬を含めた側頭葉内側の萎縮
- 脳室拡大
- 大脳白質の変性 など
脳血流SPECT
- 後部帯状回と呼ばれる箇所の血流低下(進行に伴い脳全体に拡大する)
治療
非薬物療法
一番大切なのは、認知症患者さんの心理的な負担を減らして、伴う認知症の行動を減らすことが大切です。
話す内容をシンプルにして伝えるなどの工夫を行います。
また以下が予防・進行抑制に繋がる可能性があると言われています。
- 生活習慣病の改善
- 運動
- 知的活動 など
薬物療法
抗認知症薬として以下のような薬があります。
- ドネペジル
- リバスチグミン
- メマンチン
また保健適用外ではあるが、漢方なども効果があると言われています。
- 抑肝散
症状の治療としては以下のようなものがあります。(ただし、以下のような薬に関してはネガティブな側面もあり慎重に使用する必要があります。)
不安→リスペリドン、オランザピン、クエチアピン
焦燥、興奮→リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール
幻覚・妄想→リスペリドン、オランザピン、アリピプラゾール
暴力、徘徊、不穏、睡眠障害→リスペリドン
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